外国人の配偶者を「日本人の配偶者等」の資格で呼び寄せたい
外国人の配偶者を日本に呼び寄せる際には
「日本人の配偶者等」の在留資格を取得することが一般的です。
「日本人の配偶者等」の在留資格を有していると、日本人の配偶者として日本に滞在して労働(就労制限なし)も行うことができます。
下記では、外国人の配偶者を日本に呼び寄せる際の手続についてご説明いたします。
「日本人の配偶者等」取得のポイント
①偽装結婚ではないことを証明する
「偽装結婚でないこと」を明確に出入国在留管理庁に証明します。
日本では偽装結婚はとても厳しく取り締まられており逮捕者も出ています。
お金を目的に偽装結婚する方があとを絶たないため、
出入国在留管理庁は「日本人の配偶者等」の申請の場合はまず偽装結婚を疑います。
日本に配偶者を呼び寄せる場合には、「誠実な愛」に基づいて結婚し誠実に結婚手続を行ったことを証明する必要があります。実体を伴う婚姻であることを証明しなければなりません。
②日本国の不利益にならず生計を維持できることを証明する
日本は超高齢化社会に突入し、労働力不足を解消し国に利益をもたらす外国人を受け入れています。
そのため、日本の負担や不利益になるような外国人は在留資格が許可されない可能性があります。
具体的には、生活保護者になってしまう・犯罪を起こしてしまう・生計を維持できるスキル等がない人物となります。
この点を踏まえて申請者は、日本の不利益にならないことを証明することが求められます。
慎重な申請が必要になる場合
長年連れ添った外国人の配偶者を日本に呼ぶことは難しくありません。
共に海外で生活していたことを証明することで許可の可能性は高くなります。
しかし、下記のようなご状況であれば慎重に申請する必要があります。
①SNSなどで知り合った
近年、SNSの発達からこのようなケースが大変多くなっています。
SNS上でやり取りは続けていたが、実際に会ったことは数回程度という場合です。
数回会っただけで結婚を意識するというのは確かに珍しいことではありませんが、
外国籍の配偶者が日本と比べて不安定な情勢の国の方である場合には
在留資格許可の審査がかなり厳しくなります。
そのため、出会いはSNSであったとしても誠実に愛を育んだことを明確に出入国在留管理庁に伝える必要があります。
②年齢差がある
日本人の方と比べて、外国籍の方がかなり若い場合も審査が厳しくなります。
年の差があると偽装結婚を疑われやすくなり慎重に審査をされますので、
年の差を超えて誠実な関係性にあることを証明することが重要となります。
③婚姻紹介所で知り合った
過去、偽装結婚をあっせんしたことがあるかどうかを厳しく審査されます、利用された婚姻紹介所は、偽装結婚を摘発された場合、在留資格の取得はかなり難しくなります。正規的な、信頼できる婚姻紹介所をご利用ください。
④離婚歴が多い場合
日本人は、今まで何回も離婚して、しかも相手方も外国人である場合は、偽装結婚を疑われる可能性が高いです。離婚歴の説明と結婚した経緯をしっかりと説明し、実体を伴う婚姻であることを証明する必要があります。
「日本人の配偶者等」の在留資格取得の流れ
日本人の配偶者などの在留資格を取得するまでの流れは大きく分けて2つあります。
①海外にいる配偶者が「日本人の配偶者等」の在留資格を取得する
1つ目は、配偶者が海外に滞在しながら在留資格取得を目指す方法です。
こちらの方法におけるメリットは、配偶者が海外での生活の中で申請を進めるため
時間に追われずじっくりと申請書類を確認しながら申請を行える点があります。
デメリットとして、申請手続きを日本にいる方が全て行わなくてはならないため、
行政書士や弁護士など、申請を行える専門家に依頼することをお勧めいたします。
②海外にいる配偶者を日本に短期滞在ビザで呼び寄せたのちに在留資格を変更する
「短期滞在」ビザで日本に海外の配偶者を呼び寄せ、日本で一緒に申請をおこなう方法です。
メリットは、申請者本人が日本にいるため、申請書類作成などの手続きが迅速に対応できますが、
デメリットとして申請の許可が下りなかった場合、申請者は日本を出国しなければならないというリスクがあります。
まとめ
「日本人の配偶者等」の在留資格を取得される際、
長年連れ添った配偶者であれば難しい申請ではないケースが多いです。
しかし、離婚歴が多かったり婚姻期間が短かったり婚姻までに数回程度しか会っていなかったりすると申請書類に十分な説明を添付する必要があります。その場合には申請書と一緒に「理由書」を提出することもできますので、行政書士や弁護士などの専門家の意見を踏まえて「理由書」の作成を進めることをお勧めいたします。