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指紋認証制度に困っている

指紋認証制度に困っている

テロを未然に防ぐための個人識別情報提供義務の一環として
2007年11月20日より指紋認証制度が実施されています。

指紋認証制度に関するトラブルが起きた場合どのような対処が望ましいのか
制度概要も踏まえて、下記にてご説明いたします。

指紋認証制度の具体的な概要

空港や港での入国手続では、指紋と顔写真の撮影が行われています。
登録されたデータは出入国在留管理庁(旧入国管理局)に送られ、入国の許可・不許可が即時に判断されます。

日本の警察が指名手配した者や過去に日本を強制退去となった者はもちろん、
国際刑事警察機構との協力で、これまで日本に入国履歴がない外国人であっても国際的に危険だと判断されている人物(テロリスト)であれば入国は許可されません。

以前はパスポートの提示と口頭での質問のみで日本への入国が許されていましたが、これでは現在求められているセキュリティの確保には十分ではありません。
指紋認証制度は日本の国益を守るために必要不可欠な制度となっています。

指紋認証制度の限界

指紋認証制度に関しては、以下のような限界が存在します。

例えば、名前を偽り既に日本に入国し滞在している場合、過去に不法滞在となり強制送還されたことがある場合であっても、データからその名前を偽っている滞在者と不法滞在者とが同一人物として識別されない場合があります。

在留資格取消と在留特別許可

指紋認証制度で過去の不法滞在等が判明し日本に入国できない場合
在留資格も同時に取り消される場合があります。

在留資格とは日本に適法に在留するための資格ですので、
在留資格を取り消されてしまうと日本での滞在は許されません。

しかし以下のような場合、在留資格取消が行われない、在留特別許可を受けることもあります。
①日本人と結婚している、または予定している
②日本国籍の子を養っている
③「永住者」または「定住者」と結婚している、または予定している
④その他、法務大臣の裁量により在留特別許可を受ける必要があると判断される場合

過去の不法滞在が判明したものの日本での生活が妥当だと判断されれば
在留資格を維持することができる場合があるということです。

在留特別許可は、法務大臣の裁量的な処分であり、その許否判断に当たっては、個々の事案ごとに、在留を希望する理由、家族状況、生活状況、素行、内外の諸情勢その他諸般の事情に加え、その外国人に対する人道的な配慮の必要性と他の不法滞在者に及ぼす影響とを含めて、総合的にはんだんしています。

個々のケースに併せて検討する必要がある

指紋認証制度が運用されて10年以上が経過しましたが、
指紋認証制度で問題を抱える方も増加傾向にあります。

すべての人が異なる指紋を持ち、この指紋は生まれてから亡くなるまで変わることはありませんので、指紋を偽ることはできません。
過去に虚偽の申告で入国し滞在している外国人の指紋データは、偽装した名前と共に登録されています。そのため、別の名前で日本に滞在していて、一時帰国などで日本を出国し日本に再入国した場合には過去の虚偽の申請が判明し、入国を拒否される可能性があります。

これ以外にもさまざまなケースがありますので、個々のケースに合わせて対処する必要があります。

正直に手続を行うことが大切です
出入国在留管理庁は、虚偽の申請や事実を隠すことにとても敏感です。
過去の不法滞在に対し、「なぜ、そのような状況となったのか」「十分反省しているか」「今後はこのようなことを繰り返さないか」を判断され、日本での滞在を許可する場合があります。

前科がある者は原則として在留資格を取得することはできません。しかし、事情が情状酌量できるものであり悪質性が認められない場合には、厳しい処分を回避する場合もあります。

最悪の場合には在留資格を取り消されてしまいますが、それを恐れて出入国在留管理庁に正確な事実を伝えずに年数が経過すると、虚偽が明らかになったときに不利な判断が下される確率が高まります。
日本での安心した生活を送ることは難しくなり、最悪の場合には今後日本で家族と一緒に暮らすことができなくなるなど、人生を大きく変えてしまうこともありますので早めの対処が必要となります。

まとめ

指紋認証制度は、日本の国益と治安を守るため必要不可欠な制度ですが、
日本に滞在するために偽証を行っている場合、偽証の発覚を恐れて制限のある不安な毎日を送っている方もおられます。

こうしたことを解決するためには、個々の状況に合わせて具体的に問題を検討し、
誠意を持って出入国在留管理庁に状況を伝える必要があります。
行政書士や弁護士等の信頼できる専門家にご相談いただき現状を解決させることをお勧めいたします。

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