業種別のご案内
特定技能の在留資格は、日本の労働力不足を解消するために、新設された制度です。
現段階(2019年4月)では、介護、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業の14分野に限られていますが、該当する業種は今後増加することが予想されています。
これら14業種の基準や具体的な業務についてご説明いたします。
14業種に共通している基準
特定技能の在留資格を取得できるのは、原則として、国外試験(技能・日本語)に合格した外国人又は技能実習2号を良好に修了した外国人となります。
そのため、各業種について一定のスキルや知識を有していることが求められることはもちろん、
一定のレベルの日本語能力も必要になります。
また、受入機関についても
「報酬額は日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であること」
「一時帰国を希望した場合、休暇を取得させること」
「報酬、福利厚生施設の利用等の待遇で差別的取扱いをしていないこと」
を遵守する必要があります。
介護
日本は超高齢化社会に突入している現状がありながら、深刻な介護人材不足に悩まされています。
そのため、特定技能の在留資格で約60,000人(2019年から5年間で)と、14業種のなかでも最も多くの受け入れを見込んでいます。
従事する業務は、身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴・食事,・排せつの介助等)のほか、
これに付随する支援業務(レクリエーションの実施・機能訓練の補助等)の1試験区分となります。
ビルクリーニング
ビルクリーニングは、建築物内部の清掃業務になります。
ビルクリーニングの受け入れ人数も比較的多く、約37,000人(2019年から5年間で)を見込んでいます。
従事する業務は、建築物内部の清掃の1試験区分となります。
素形材産業
従事する業務は、鋳造、工場板金、機械検査、鍛造、めっき、機械保全、ダイカスト、アルミニウム、塗装、機械加工、陽極酸化処理、溶接、金属ブレス加工、仕上けの13試験区分に分かれています。
産業機械製造業
従事する業務は、鋳造、工場板金、鍛造、めっき、ダイカスト、仕上げ、機械加工、機械検査、塗装、機械保全、鉄工、工業包装、電子機器組立て、電気機器組立て、プリント配線板製造、プラスチック成形、金属プレス加工、溶接の18試験区分に分かれています。
電気・電子情報関連産業
従事する業務は、機械加工、金属プレス加工、工場板金、めっき、仕上げ、機械保全、塗装、電子機器組立て、溶接、電気機器組立て、工業包装、プリント配線板製造、プラスチック成形の13試験区分に分かれています。
建設
従事する業務は、型枠施工、左官、コンクリート圧送、トンネル推進工、建設機械施工、土工、屋根ふき、電気通信、鉄筋施工、鉄筋継手、内装仕上げ/表装、とび、建築大工、配管、建築板金、保温保冷、吹付ウレタン断熱、海洋土木工の1118試験区分に分かれています。
建設業は、介護、外食業に次ぐ、約40,000人の受入を予定しています。
造船・舶用工業
従事する業務は、溶接、仕上げ、塗装、機械加工、鉄工、電気機器組立ての6試験区分に分けられています。
自動車整備
従事する業務は、自動車の日常点検整備・定期点検整備・分解整備の1試験区分のみとなります。
航空
従事する業務は、空港グランドハンドリング(地上走行支援業務・手荷物・貨物取扱業務等) 、航空機整備(機体・装備品等の整備業務等)の2試験区分に分かれています。
宿泊
従事する業務は、フロント企画・広報・接客・レストランサービス等の宿泊・サービスの提供の1試験区分となります。
農業
従事する業務は、耕種農業全般(栽培管理・農産物の集出荷・選別等) 、畜産農業全般(飼養管理・畜産物の集出荷・選別等)の2試験区分に分かれています。
漁業
従事する業務は、漁業(漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保等) 、養殖業(養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理・収獲(穫)・処理、安全衛生の確保等)の2試験区分に分かれています。
飲食料品製造業
従事する業務は、飲食料品製造業全般(飲食料品(酒類を除く)の製造・加工、安全衛生)の1試験区分となります。
外食業
従事する業務は、外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理)の1試験区分となります。
まとめ
特定技能は、適切な運用を図るために、業種毎に、所管省庁が協議会を設置することになっています。
協議会の活動は、特定技能外国人の受入れに係る制度の趣旨や優良事例の周知、特定技能所属機関等に対する法令遵守の啓発を行い、適切に外国人を受け入れる基盤を作り出すことを目的にしています。
その他、地域別の人手不足の状況の把握及び分析など、今後の日本の発展を担う存在でもあります。
特定技能の制度は、監理団体等を通さず、受入機関(企業等)が特定技能外国人を直接雇用することになります。
今後さらに、比較的新しい特定技能制度の外国人受入の基盤や枠組みを確立していくことが、協
議会や登録支援機関(特定技能外国人を支援する機関)の課題となっています。