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特定技能の分野別協議会 ― 加入していないと受け入れられません

特定技能・育成就労で外国人材を受け入れるには、その分野の協議会に加入していることが前提になります。

しかも、窓口は分野ごとに違います。厚生労働省・国土交通省・農林水産省・経済産業省・環境省に分かれており、加入の方法もそれぞれです。

工業製品製造業分野だけは、協議会ではなく一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)への入会という扱いになっています。建設分野にも別の仕組みがあります。

2027年4月に始まる育成就労でも、同じ「加入を証明する書類」が求められます。19分野の窓口を一覧にしましたので、自社の分野をご確認ください。

分野別協議会とは何か

分野別協議会は、分野を所管する省庁が、その分野ごとに設置する会議体です。受入企業(特定技能所属機関)は、その構成員になることが求められます。

出入国在留管理庁の資料では、協議会の活動内容が次のように整理されています。

  • 制度の趣旨や優良事例の周知
  • 受入企業・登録支援機関などに対する法令遵守の啓発
  • 就業構造や経済情勢の変化に関する情報の把握・分析
  • 地域別の人手不足の状況の把握・分析
  • 大都市圏などへの集中回避に係る対応策の検討・調整
  • 受入れの円滑かつ適正な実施に必要な情報の共有

つまり、受け入れる企業を国が把握し、必要な情報を届けるための仕組みです。加入して終わりではなく、加入後は協議会の活動への協力も求められます。

なぜ加入が必要なのか

根拠は法令にあります。

特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令(平成31年法務省令第5号)第2条第1項第13号は、雇用契約の適正な履行の確保に係る基準として、次の趣旨を定めています。

前各号に掲げるもののほか、法務大臣が告示で定める特定の産業上の分野に係るものにあっては、当該産業上の分野を所管する関係行政機関の長が、法務大臣と協議の上、当該産業上の分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準に適合すること

この委任を受けて、各分野の所管省庁が「上乗せ基準告示」を定めており、そこに協議会の構成員になることが書かれています。

したがって、協議会に入っていないことは、受入企業の側の基準を満たしていないという意味になります。在留資格の申請の際に、加入を証明する書類の提出が求められます。

分野ごとの窓口一覧(2026年9月時点)

対象となる分野は、入管法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄に規定する産業上の分野等を定める省令(平成31年法務省令第6号)で19分野と定められています。うち特定技能2号の対象は11分野です(同省令第2号・第4号から第9号まで・第13号から第16号まで)。

加入先と所管省庁は次のとおりです。加入方法・必要書類・様式は各ページで公表されています。

分野 加入先(協議会等) 所管省庁 案内ページ
介護 介護分野における特定技能・育成就労協議会 厚生労働省 厚生労働省
ビルクリーニング ビルクリーニング分野特定技能協議会 厚生労働省 厚生労働省
リネンサプライ リネンサプライ分野特定技能協議会 厚生労働省 厚生労働省
工業製品製造業 一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)への加入(協議会は「製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会」) 経済産業省 経済産業省
建設 建設分野特定技能協議会。あわせて一般社団法人建設技能人材機構(JAC)又はその会員である建設業者団体への所属 国土交通省 国土交通省
造船・舶用工業 造船・舶用工業分野特定技能協議会 国土交通省 国土交通省
自動車整備 自動車整備分野特定技能協議会 国土交通省 国土交通省
航空 航空分野特定技能協議会 国土交通省 国土交通省
宿泊 宿泊分野特定技能協議会 国土交通省(観光庁) 観光庁
自動車運送業 自動車運送業分野特定技能協議会 国土交通省 国土交通省
鉄道 鉄道分野特定技能協議会 国土交通省 国土交通省
物流倉庫 特定技能の分野別協議会は設置に向けて調整中(2026年8月時点の国土交通省の公表)。最新の状況は所管省庁のページでご確認ください 国土交通省 国土交通省
農業 農業特定技能協議会 農林水産省 農林水産省
漁業 漁業特定技能協議会 農林水産省(水産庁) 水産庁
飲食料品製造業 食品産業特定技能協議会(外食業と共同で設置) 農林水産省 農林水産省
外食業 食品産業特定技能協議会(飲食料品製造業と共通) 農林水産省 農林水産省
林業 林業特定技能・育成就労協議会 農林水産省(林野庁) 林野庁
木材産業 木材産業特定技能協議会 農林水産省(林野庁) 林野庁
資源循環 環境大臣が設置する資源循環分野の分野別協議会。入会の流れ・問合せ先は公表準備中(2026年9月時点)。所管省庁のページでご確認ください 環境省 環境省

この表は2026年9月9日時点で各省庁の公表資料を確認して作成したものです。協議会の名称・加入手続は改定されることがあります。申請の前に、必ず所管省庁のページで最新の内容をご確認ください。

分野そのものの区分と業務内容は、業種別のご案内でご説明しています。

工業製品製造業はJAIMへの入会です

工業製品製造業分野は、他の分野と手続が違います。

経済産業省は、次のように案内しています。

特定技能外国人を受け入れるにあたっては、全ての事業所が一般社団法人工業製品製造技能人材機構(略称「JAIM」)に加入することが必要です。

JAIMは、経済産業大臣の登録を受けた特定技能外国人受入事業実施法人です。協議会(製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会)の構成員でもあります。

育成就労でも同じ扱いです。出入国在留管理庁は「工業製品製造業分野については、分野別協議会に代わり、育成就労外国人受入事業実施法人であるJAIMへ入会が必要です(分野別協議会への加入は不要)」と明記しています。JAIMは2026年6月30日に育成就労外国人受入事業実施法人として大臣登録を受けました。

「協議会を探したが見つからない」という行き違いが起きやすいのが、この分野です。入会手続はJAIMのサイトで案内されています。

建設分野の取扱い

建設分野には、建設分野特定技能協議会に加えて、もう一段の要件があります。

出入国在留管理庁が示す受入企業の条件には、「特定技能外国人受入事業実施法人の登録を受けた法人又は当該法人を構成する建設業者団体に所属すること」とあります。この登録法人が一般社団法人建設技能人材機構(JAC)です。

つまり建設分野では、JACに直接加入するか、JACの会員である建設業者団体に所属するかのいずれかが必要です。

建設分野にはこのほか、建設キャリアアップシステムへの登録と、国土交通省による「建設特定技能受入計画」の認定という手続もあります。準備する項目が最も多い分野です。制度全般の問合せ先として、国土交通省はJACのヘルプデスクを案内しています。

いつまでに加入すればよいか

在留資格の申請より前です。

以前は「受入れ後4か月以内に加入」という運用でしたが、2024年(令和6年)6月15日から、在留諸申請の前に加入していることが求められる扱いに変わりました。

水産庁は、次のように案内しています。

令和6年6月15日以降、初めて漁業分野の特定技能外国人材を受け入れる場合には、出入国在留管理庁への当該特定技能外国人材の在留資格認定証明書交付申請の前に、受入れ機関は「漁業特定技能協議会」に加入しなければなりません。

加入には審査の時間がかかります。介護分野では、申請後「通常2週間程度で入会証明書が発行される」と案内されています。分野によっては提出書類の準備にさらに日数がかかります。

おすすめする順番は次のとおりです。

  1. 自社の分野を確定する(日本標準産業分類上の産業と業務区分で決まります)
  2. その分野の所管省庁のページで、加入要件と必要書類を確認する
  3. 協議会(または登録法人)に加入を申し込む
  4. 加入を証明する書類の交付を受ける
  5. 在留資格認定証明書交付申請・在留資格変更許可申請を行う

採用が決まってから動くと間に合わないことがあります。募集と並行して進めておくと確実です。

加入の費用

協議会そのものへの加入には費用がかからないと明記している分野があります。2026年9月時点で、次の分野が公表しています。

  • 介護分野 … 「入会費・年会費等の費用は徴収いたしません」(厚生労働省)
  • 農業分野 … 「入会費や年会費等、費用はかかりません」(農林水産省)
  • リネンサプライ分野 … 「加入にあたって、費用はかかりません」(厚生労働省)

ただし、これが全分野に共通するとは限りません。建設分野のJAC、工業製品製造業分野のJAIMは協議会とは別の会員制の団体で、負担の有無・金額の定めも各団体のものです。

費用は改定されることがあるため、金額は必ず各団体・各省庁のページでご確認ください。

育成就労でも同じ書類が必要です

技能実習制度は廃止され、2027年4月1日から育成就労制度が始まります。

出入国在留管理庁は、育成就労計画の認定申請について次のように案内しています。

育成就労制度においては、育成就労実施者は、各育成就労産業分野の分野別協議会に加入していること(工業製品製造業分野においては登録法人の構成員となること)が義務付けられているほか、各分野所管省庁が定めた告示で定める基準に適合する必要があります。

そのため、認定申請には「分野別協議会(又は登録法人)への加入を証明する書類」の提出が必要です。

育成就労計画の認定は、2026年9月1日から施行日前申請の受付が始まっています。ただし、育成就労側の加入手続は分野によって進み方が違います。2026年9月時点で加入手続が開始済みとされているのは、リネンサプライ・ビルクリーニング・工業製品製造業(JAIM)・自動車整備・鉄道・林業・木材産業です。それ以外の分野は準備中と公表されています。

ここに載っていない分野が「受け入れられない」という意味ではありません。準備が進んでいる途中です。公表状況は動きますので、申請前に出入国在留管理庁と分野所管省庁のページをご確認ください。

育成就労の全体像は、育成就労で外国人材を受け入れたい企業様へでご説明しています。

加入が間に合わないときにどうなるか

申請が止まります。

出入国在留管理庁は、育成就労計画の施行日前申請について、次のように案内しています。

必要な書類(特に分野別協議会等への加入を証明する書類)がないまま申請をされた場合には、分野別運用要領等に記載された提出資料を追加で提出いただく必要があり、それまでの間、審査を保留することとなります

不許可になるという話ではなく、書類が揃うまで審査が進まないということです。その分、入国・就労開始の予定が後ろにずれます。

採用計画を立てる段階で、加入までの日数を工程に入れておくことをおすすめします。

まとめ

  • 特定技能・育成就労では、分野ごとの協議会への加入が受入れの前提です
  • 窓口は分野ごとに違い、厚生労働省・国土交通省・農林水産省・経済産業省・環境省に分かれています
  • 工業製品製造業はJAIMへの加入建設はJAC又はその会員団体への所属という別の扱いです
  • 加入は在留諸申請より前に済ませる必要があります(2024年6月15日から)
  • 育成就労でも同じ「加入を証明する書類」が求められます

ご相談ください

自社の分野がどれに当たるのか、どの窓口に、いつまでに、何を出せばよいのか。受入れの入口でつまずきやすいところです。

行政書士法人LSRコンサルティングでは、分野の確定から協議会への加入手続、在留資格の申請取次まで、まとめてお受けしています。申請取次行政書士(入管法施行規則に基づく届出済)が対応します。

当グループは登録支援機関としての登録も受けています(登録番号:登20-004723)。受け入れた後の支援10項目や届出も、窓口を分けずにご相談いただけます。詳しくは登録支援機関の登録申請をご検討の企業様へをご覧ください。

初回1時間のご相談を無料で承っています(ご来所・オンラインとも)。奈良・東京の2拠点で対応しています。

※お電話での無料相談は承っておりません。お申し込みはお問い合わせフォームからお願いいたします。

※法人設立・増資の登記が必要な場合は、同じグループの司法書士法人LSRコンサルティングがお受けします。

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