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監理支援機関と登録支援機関の違い|どちらが必要かの見分け方

「監理支援機関と登録支援機関は同じものですか」というご質問をいただくことが増えました。別の法律に基づく、別の制度です。

監理支援機関は育成就労法に基づく許可、登録支援機関は入管法に基づく登録で、対象になる外国人も違います。どちらが必要かは受け入れる在留資格で決まり、片方があればもう片方が要らない、という関係ではありません。

行政書士法人LSRコンサルティングは、登録支援機関として登録を受けて支援業務を行っている側です(登録番号:登20-004723)。実際に支援を回している立場から、2027年4月に向けて整理しました。

まず、根拠になる法律が違います

同じ「支援」という言葉が入っていますが、条文の置かれている場所がまったく違います。

登録支援機関 ― 入管法に基づく「登録」

出入国管理及び難民認定法(入管法)第19条の23第1項は、次のように定めています。

契約により委託を受けて適合一号特定技能外国人支援計画の全部の実施の業務(以下「支援業務」という。)を行う者は、出入国在留管理庁長官の登録を受けることができる。

特定技能1号の外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)は、その方への支援計画を作成しなければなりません(入管法第2条の5第6項)。この支援計画の実施を全部まとめて登録支援機関に委託した場合、受入企業は支援体制についての基準に適合するものとみなされます(同条第5項)。登録支援機関は、この委託の受け皿です。

監理支援機関 ― 育成就労法に基づく「許可」

一方の監理支援機関は、2027年4月1日に施行される育成就労法(外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律)に置かれています。同法第2条第11号の定義は次のとおりです。

監理支援機関 第二十三条第一項の許可を受けて監理支援を行う事業を行う本邦の営利を目的としない法人をいう。

ここでいう監理支援とは、①受入企業(監理型育成就労実施者)と外国人との雇用関係の成立のあっせんと、②受入企業に対する育成就労の実施に関する監理の2つです(同条第10号)。

技能実習の監理団体に近い役割ですが、技能実習法の監理事業ではなく、育成就労法の「監理支援事業」として置き直されています。

早見表:どちらが必要かは、受け入れる在留資格で決まります

どの立場か 必要になるもの 根拠
特定技能1号の外国人を受け入れ、支援を外部に委託したい受入企業 手続は不要。ただし委託先が登録支援機関であることが必要 入管法2条の5第5項
特定技能1号の支援を受託する側になりたい 登録支援機関の登録 入管法19条の23第1項
育成就労(監理型)で、受入企業にあっせんと監理を行う側になりたい 監理支援機関の許可 育成就労法23条第1項
育成就労(単独型)で、自社の海外事業所の職員を受け入れる 監理支援機関は関与しません 育成就労法2条2号

いま監理団体を運営されていて、育成就労でも同じ立場を続けたいのであれば、監理支援機関の許可です。 特定技能1号の支援も受託したいのであれば、それとは別に登録支援機関の登録が要ります。

5つの違い

登録支援機関 監理支援機関
根拠法 入管法19条の23第1項 育成就労法23条第1項
行政の関与の形 登録 許可
相手方 出入国在留管理庁長官 主務大臣(申請書の提出先と事実関係の調査は外国人技能実習機構
対象になる外国人 特定技能1号 監理型育成就労
有効期間 5年ごとに更新 許可の日から3年を下らない政令で定める期間(一定の基準に適合すると認められる場合は5年を下らない政令で定める期間
法人の形態 条文上の限定はありません 本邦の営利を目的としない法人
外部の者による監査 定めはありません 受入企業と密接な関係を有しない者に、役員の職務の執行の監査を行わせる措置が許可の基準
選任する責任者 支援責任者、事業所ごとに1名以上の支援担当者 事業所ごとに監理支援責任者

① 登録か、許可か

登録支援機関は登録です。出入国在留管理庁長官は、拒否事由に当たる場合を除いて登録簿に登録しなければならないとされています(入管法19条の25第1項)。

監理支援機関は許可です。主務大臣は、申請者が定められた基準のいずれにも適合すると認めるときでなければ許可をしてはならない、とされています(育成就労法25条第1項)。登録より重い手続です。 事実関係の調査を機構が行う場合、申請書は機構に提出します(同法24条第3項)。

② 対象になる外国人(特定技能1号/育成就労)

登録支援機関が支援するのは特定技能1号の方です。監理支援機関が関わるのは監理型育成就労で、自社の海外事業所の職員を受け入れる単独型には関与しません(育成就労法2条2号・3号)。

育成就労で受け入れた方が特定技能1号へ移る段階では、今度は支援計画の話になります。入口と出口で、関わる機関が入れ替わります。

③ 有効期間

登録支援機関の登録は、5年ごとに更新を受けなければ効力を失います(入管法19条の23第2項)。

監理支援機関の許可は、許可の日から3年を下らない政令で定める期間です。監理型育成就労の実施状況の監査その他の業務の遂行に関する基準に適合していると主務大臣が認めるときは、5年を下らない政令で定める期間になります(育成就労法31条第1項)。更新のサイクルが違うため、期限管理は分けて持つ必要があります。

④ 求められる体制(外部監査・支援責任者・監理支援責任者)

監理支援機関には、監事などによる監査に加えて、受入企業と密接な関係を有しない者による役員の職務の執行の監査を行わせる措置が求められます(育成就労法25条第1項第5号)。さらに、事業所ごとに監理支援責任者の選任が必要です(同法40条第1項)。

登録支援機関に外部監査の定めはありません。支援責任者と、事業所ごとに1名以上の支援担当者の選任が体制の要件です(入管法19条の26第1項第14号、同施行規則19条の21第2号。支援責任者が兼ねられます)。

日々の義務も違います。

登録支援機関 監理支援機関
本体の義務 委託に係る支援計画に基づき支援業務を行う(入管法19条の30第1項) 認定育成就労計画に従い監理支援を行う(育成就労法39条第1項)
行政への報告 支援業務の実施状況などを出入国在留管理庁長官に届け出る(同条第2項) 監査報告書・事業報告書を出入国在留管理庁長官および厚生労働大臣に提出(同法42条第1項・第2項)
帳簿 主務省令で定める帳簿書類を作成し、事業所に備え置く(同法41条)

⑤ 営利法人でも担えるか

ここが実務上、最も分かれるところです。

監理支援機関は、定義そのものが「本邦の営利を目的としない法人」です(育成就労法2条第11号)。許可の基準にも第1号として置かれています(同法25条第1項第1号)。株式会社では監理支援機関の許可を受けられません。 協同組合・一般社団法人などが受け皿になります。

登録支援機関には、そうした限定が置かれていません。入管法19条の23第1項は「支援業務を行う」と定め、施行規則の添付書類も「法人でない場合にあつては申請者の住民票の写し」と、法人でない申請者を想定した書き方です(同施行規則19条の19第3項第1号)。

両方を担うことはできますか

それぞれ別に、許可と登録を受けることになります。 監理支援機関の許可を受けても、特定技能1号の支援業務の委託を受けるには、入管法19条の23第1項の登録が別に必要です。

条文を突き合わせた限り、同じ法人が両方を受けることを禁じる規定は見当たりません。 ただし、株式会社の登録支援機関は、そのままでは監理支援機関になれません(育成就労法25条第1項第1号)。育成就労にも関わるのであれば、一般社団法人などを別に設けることが選択肢になります。

体制の要件も、それぞれ別に判断されます。 許可の基準(育成就労法25条第1項)と登録の拒否事由(入管法19条の26第1項)は別の条文で、片方を満たしていることがもう片方の証明にはなりません。

今の監理団体の許可は、監理支援機関に引き継がれますか

引き継がれません。 技能実習法の監理許可が、そのまま育成就労法の監理支援機関の許可になる、という規定は置かれていません。監理支援機関として事業を行うには、あらためて許可を受ける必要があります。

改正法(令和6年法律第60号)の附則に置かれているのは、次の向きの規定です。

施行日以後に育成就労法第二十三条第一項の許可を受けた者は、一般監理事業(中略)に係る許可を受けたものとみなし、附則第九条の規定によりなお従前の例によることとされた技能実習に係る一般監理事業を行うことができるものとする。(同附則13条)

みなしが働くのは「監理支援機関の許可 → 一般監理事業」の向きだけです。 逆向き(監理許可 → 監理支援機関の許可)のみなし規定はありません。

なお、施行日前に認定を受けた技能実習計画に基づき現に行っている技能実習は、なお従前の例によるとされ(同附則9条)、それに係る監理事業・監理許可の有効期間等も従前の例によることとされています(同附則10条)。いま動いている技能実習が、施行日にいきなり止まるわけではありません。

そして、監理支援機関の許可申請は、すでに受付が始まっています。 出入国在留管理庁は、施行日前申請として、監理支援機関の許可を2026年4月15日から外国人技能実習機構で受付中、育成就労計画の認定を2026年9月1日から受付と案内しています(2026年9月9日確認)。

詳しくは 監理支援機関の許可申請をご検討の企業様へ にまとめています。

登録支援機関を運営している立場から、準備しておくとよいこと

行政書士法人LSRコンサルティングは、登録支援機関として登録を受けています(登録番号:登20-004723)。支援を実際に回している側として、いま手をつけておくとよいと考えていることを挙げます。

1.いま受け入れている方を、進む先ごとに一覧にする

施行後は「育成就労」と「特定技能1号」で、根拠法も、報告の相手方も、書類の様式も分かれます。 どの方がどちらに進むのかを先に整理しておくと、迷いが減ります。

2.外部監査の担い手を早めに探す

許可の基準には、受入企業と密接な関係を有しない者による監査の措置が入っています(育成就労法25条第1項第5号)。要件を満たす方を探して依頼するには時間がかかります。

3.分野ごとの上乗せ基準と協議会の加入手続を確認する

分野別運用要領・審査基準・協議会の加入手続・上乗せ基準の告示は、分野によって公表の時期が異なります(2026年9月時点)。最新の状況は出入国在留管理庁のページでご確認ください。

4.法人の形態を確認する

株式会社で登録支援機関を運営されている場合、育成就労にも関わるのであれば、法人を別に設ける検討が必要です。 一般社団法人の設立や既存法人の定款変更については、同じグループの司法書士法人LSRコンサルティングが登記をお受けできます。

まとめ

ご質問 答え
2つは別物ですか 別物です。 監理支援機関は育成就労法の許可、登録支援機関は入管法の登録です
片方あれば、もう片方は要りませんか 要ります。 対象になる在留資格が違うため、それぞれ手続が必要です
今の監理団体の許可はどうなりますか 監理支援機関の許可には引き継がれません。 あらためて許可を受ける必要があります
株式会社でも監理支援機関になれますか なれません。 本邦の営利を目的としない法人に限られます
いつから動けばよいですか 監理支援機関の許可の申請はすでに受付が始まっています(2026年4月15日から)

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